金融・資産運用特区とは、国内外から投資資金を呼び込むために2024年6月、政府が新たに創設した制度です。
この特区制度は、従来の国際金融センター構想よりも多様な要素を含む意欲的な取り組みで、経済成長、地方活性化、産業育成など、複数の政策目標を同時に達成しようとする試みですが、現段階では試行的な要素も多く、今後のパフォーマンスを見極めながら、検討していく段階にあります。
特区の概要
•海外から金融機関や資産運用会社を誘致するための環境整備と規制緩和を行う
•国家戦略特区制度を活用し、ビジネスや生活環境の整備に関する規制特例措置を実施
•国内外の金融・資産運用会社の新規参入や業務拡充を通じて、海外の投資資金を取り込む
指定地域
•北海道・札幌市
•東京都
•大阪府・大阪市
•福岡県・福岡市
主な取り組み
•法人設立に関する行政手続きの英語対応
•スタートアップ支援人材向けの新ビザ創設
•外国人の銀行口座開設手続きの簡素化
目的と期待効果
•スタートアップなどの成長分野への資金供給環境の実現
•国際金融都市としての地位確立
•日本への投資拡大
北海道・札幌市の場合、GX(グリーントランスフォーメーション)関連産業の発展に注力し、10年間で40兆円の投資誘致を目指していて、この特区制度を通じて、政府は資産運用立国の実現と国際金融センターとしての競争力強化していくそうです。
金融・資産運用特区の指定に際して、規制緩和や特例措置が検討されています
行政手続きの簡素化
•法人設立に関する行政手続きの英語対応
•外国人の銀行口座開設手続きの簡素化
これらの措置により、海外の金融機関や資産運用会社が日本で事業を始める際の障壁を低くすることを目指しています。
人材確保の支援
•スタートアップ支援人材向けの新ビザ創設
海外の優秀な人材を呼び込むための入国管理上の特例措置が検討されています。
土地利用規制の緩和
•用途指定地域における土地使用の規制緩和
•工場に付随する緑地面積の特例
これらの措置により、金融関連施設や研究開発施設の立地を促進することが期待されています。
その他の特例措置
•特殊車両や船舶に関する規制の緩和
•電波に係る免許発給までの手続きの大幅短縮
これらの規制緩和は、金融・資産運用業に直接関係するものだけでなく、関連産業の発展を促すことで、総合的な経済効果を計画しています。
特区制度では、地域の特性や具体的な事業計画に応じて、さらなる規制緩和や特例措置が検討される可能性があります。
