『戦略的イノベーション創造プログラム』の一環レアアース

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レアアース(希土類元素)は、17種類の元素の総称で、「ハイテク産業のビタミン剤」とも呼ばれ、現代の産業技術において非常に重要な役割を果たしていて、電子機器、省エネ家電、電気自動車、医療機器など、さまざまな製品に使用されています。

レアアースの主な産出国は、世界全体の約58%の生産量を占める中国、次いでアメリカが世界の約38%生産量を占めています。

中国が最大の産出国となっている理由としては、レアアースを取り出しやすい鉱石が集中していること、レアアース抽出時に使用する化学薬品などに対する環境規制が比較的緩やかであることだそうです。

レアアースはレアメタルの一部で、レアメタルの中の17種類の元素を指し、特にハイテク産業や環境技術に特化して使用されることが多いのに対し、レアメタルは構造材料や電子・磁性材料など、より広範囲で使用されます。

17種類のレアアース(希土類元素)は

01.スカンジウム(Sc)
02.イットリウム(Y)
03.ランタン(La)
04.セリウム(Ce)
05.プラセオジム(Pr)
06.ネオジム(Nd)
07.プロメチウム(Pm)
08.サマリウム(Sm)
09.ユウロピウム(Eu)
10.ガドリニウム(Gd)
11.テルビウム(Tb)
12.ジスプロシウム(Dy)
13.ホルミウム(Ho)
14.エルビウム(Er)
15.ツリウム(Tm)
16.イッテルビウム(Yb)
17.ルテチウム(Lu)

これらの元素は、化学的性質が似ていて、塊で発見されることが多いそうです。

日本でも、2013年に東京大学の研究グループが、南鳥島周辺の排他的経済水域(EEZ)内の水深6000メートルの海底下で「超高濃度レアアース泥」を発見しました。
埋蔵量は国内需要の200年分以上に相当すると推定されていて、政府は2028年度以降、民間企業が参入できる環境を整え、レアアースを抽出する技術の確立など、生産体制を整える目標を示しています。

このレアアース泥は、約3450万年前、地球規模の寒冷化に伴う海洋大循環の強化により、海山周辺で魚類が急増し、その骨が大量に堆積して生成されたと考えられています。

南鳥島周辺のレアアース開発は、日本の資源戦略において重要な位置を占めていますが、深海底からの効率的かつ経済的な採掘方法の開発が主な課題となっていて、採掘コストをどこまで下げられるかなど、課題を克服する必要がありますす。