スヴァールバル諸島は、北極圏に位置するノルウェー領の島で、1596年にオランダ人探検家ウィレム・バレンツによって発見されました。
北極海のヨーロッパ寄りに位置し、東はバレンツ海、南西はグリーンランド海、南東はノルウェー海に囲まれていて、1年のうち4ヶ月間は極夜となり、夏には白夜が見られます。
面積は61,022kmで、人口は約2,884人。
首都はロングイェールビーンで、世界最北の都市として知られていてホッキョクグマが生息し、人口よりも多いことが特徴です。
医療施設が限られているため、出産や重病の治療はノルウェー本土で行われることが多く、土葬が禁止されていて、遺体はノルウェー本土で火葬後、諸島に埋葬されます。
失業者は強制送還されるため、仕事を持つことが滞在の条件となっています。
スヴァールバル諸島は、その独特な地理的位置と自然環境、そして特殊な規制により、世界でも珍しい特徴を持つ地域となっています。
スヴァールバル世界種子貯蔵庫は、ノルウェー領スヴァールバル諸島のスピッツベルゲン島に位置する世界最大の種子保存施設で、世界中の1700のジーンバンクのうち91施設から種子を預かり、各国のバックアップとしての役割も果たしています。
100カ国以上の支援を受け、グローバル作物多様性トラスト(GCDT)が運営しています。
貯蔵庫の目的は、農作物種の絶滅を防ぎ、世界の食糧安全保障を確保することです。
主に農作物の種子が中心となっていますが、森林樹木の種子も追加されるなど、保存される種子の範囲は拡大しています。
2008年2月26日に操業を開始し、最大300万種、450万組の種子を保存できる設計になっていて、地下120mの岩盤内に位置し、海抜約130mにあり、通常はマイナス18～20℃に保たれ、冷却装置が故障してもマイナス4℃を維持できます。
冷却装置が故障した場合でも、永久凍土層によってマイナス4℃を維持できる設計になっていて、一時的な機器の故障でも、種子の保存状態が大きく損なわれることを防ぎ、多くの種子は数十年から100年以上の長期保存が可能になります。
一部の種子は、適切な条件下で1000年以上保存できる可能性があるとされています。
当初は人の手を借りずに機能するよう設計されていましたが、現在は24時間体制で監視されています。
スヴァールバル世界種子貯蔵庫は、「現代版ノアの箱舟」とも呼ばれ、人類の食糧確保のための重要な役割を果たしています。
