フュージョンエネルギー実用化に向けての課題

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フュージョンエネルギーとは、軽い原子核同士(重水素と三重水素)を高温・高圧下で融合させ、より重い原子核(ヘリウム)に変換する際に放出されるエネルギーのことです。
これは核融合エネルギーとも呼ばれ、太陽や星を輝かせているエネルギーと同じ原理に基づいています。

フュージョンエネルギーの主な特徴は

•核分裂と比較して放射性廃棄物が少なく、温室効果ガスの排出がない。
•少量の燃料から大量のエネルギーを生成できる。
•主な燃料である重水素は海水から容易に抽出できて、資源の枯渇の心配が少ない。
•核分裂炉とは異なり、暴走の危険性が低い。

現在、フュージョンエネルギーの実用化に向けて、国際熱核融合実験炉(ITER)計画などの大規模な研究開発プロジェクトが進行中で、まだ多くの技術的課題があります。

令和5年12月に総合科学技術・イノベーション会議で、10番目のムーンショット目標に「フュージョンエネルギーの多面的な活用」が加わりました。

•2050年までに、様々な場面でフュージョンエネルギーが実装された社会システムを実現する。

•2035年までに、電気エネルギーに限らない、多様なエネルギー源としての活用を実証する。

•2035年までに、エネルギー源としての活用に加えて、核融合反応で生成される粒子の利用や要素技術等の多角的利用により、フュージョンエネルギーの応用を実証する。

核融合研究で開発された技術は、医療分野や資源・エネルギー分野など、他の産業への波及効果も期待されているとのことです。