ムーンショット目標は実現に向け進化し続けている

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ムーンショット型研究開発制度は、内閣府を中心に、文部科学省、経済産業省、農林水産省などの関係省庁が連携して推進している、日本発の破壊的イノベーション創出を目指す国の大型研究プログラムです。

ムーンショット型研究開発制度では、現在10の目標が設定されています。
これらの目標は、人々の幸福(Human Well-being)を目指し、社会・環境・経済の諸課題の解決を目的としています。

令和6年6月に開催された総合科学技術・イノベーション会議において、ムーンショット型研究開発制度の目標4、5の継続が決定されました。

01.身体、脳、空間、時間の制約から解放
 人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会を実現

02.疾患の超早期予測・予防
 2050年までに、超早期に疾患の予測・予防をすることができる社会を実現

03.自ら学習・行動し人と共生するAIとロボット
 2050年までに、AIとロボットの共進化により、自ら学習・行動し人と共生するロボットを実現

04.地球環境の再生
 2050年までに、地球環境再生に向けた持続可能な資源循環を実現

05.2050年の食と農
 2050年までに、未利用の生物機能等のフル活用により、地球規模でムリ・ムダのない持続的な食料供給産業を創出

06.誤り耐性型汎用量子コンピュータ
 2050年までに、経済・産業・安全保障を飛躍的に発展させる誤り耐性型汎用量子コンピュータを実現

07.健康不安なく100歳まで
 2040年までに、主要な疾患を予防・克服し100歳まで健康不安なく人生を楽しむためのサステイナブルな医療・介護システムを実現

08.気象制御による極端風水害の軽減
 2050年までに、激甚化しつつある台風や豪雨を制御し極端風水害の脅威から解放された安全安心な社会を実現

09.こころの安らぎや活力を増大
 2050年までに、こころの安らぎや活力を増大することで、精神的に豊かで躍動的な社会を実現

10.フュージョンエネルギーの多面的な活用
 2050年までに、フュージョンエネルギーの多面的な活用により、地球環境と調和し、資源制約から解き放たれた活力ある社会を実現

各目標には具体的な達成年限が設定されていて、2030年~2050年までの実現を目指しています。

内閣府によるとムーンショットの由来は、1961年にケネディ大統領が、「1960年代が終わる前に月面に人類を着陸させ、無事に地球に帰還させる」という実現困難な月面着陸プロジェクト(アポロ計画)を発表し、1969年にその目標通り達成している。
そこから、実現困難だが実現すれば大きなインパクトが期待される社会課題を対象にした、野心的な目標を掲げた研究開発制度であるため「ムーンショット型」と名付けているそうです。

2016年に、Apple社の元CEOジョン・スカリー氏の著書「ムーンショット」の中で「将来を描く、斬新で困難だが、実現によって大きなインパクトがもたらされる、壮大な目標・挑戦」としていて、現在はビジネス用語としても使用されています。