Copernicus大気モニタリングサービス(CAMS)は、欧州の地球観測プログラムCopernicusの一部として実施されている大気組成のモニタリングサービスです。
ECMWF(欧州中期予報センター)が、EU(欧州連合)に代わって運用していて、大気組成の現状分析、数日先の予測、過去数年間の一貫したデータ記録の提供を行っています。
CAMSのデータは、Copernicusデータポリシーに基づき、完全に無料でオープンに利用可能になっていて、大気科学に関連する幅広い応用分野で、公共および民間の利害関係者をサポートするために使用されています。
大気汚染、温室効果ガス、気候への影響などの環境問題に関するデータと情報を提供し、健康、環境モニタリング、再生可能エネルギー、気象学、気候学など、さまざまな分野をサポートしています。
提供されているサービス
1．全球大気組成の準リアルタイム分析と予測の日々の生成
2．一貫した複数年の全球大気組成データセットの再解析
3．大気質分析と予測の準リアルタイム生成
4．政策立案者向けの付加価値製品の提供
5．太陽エネルギーとUV放射に関する製品
6．温室効果ガスの地表フラックス逆推定
7．エアロゾルや温室効果ガスによる気候強制力の評価
8．人為起源排出量と森林火災からの排出量の推定
欧州宇宙機関(ESA)のSentinel-5P衛星ミッションは、大気モニタリングを目的とした人工衛星で、世界中の大気ガスを毎日マッピングし、高解像度のデータを、Copernicus大気モニタリングサービスを通じて情報を提供しています。
Sentinelシリーズの1つ、Sentinel-5Pの特徴と目的
•観測項目：Sentinel-5Pは、二酸化窒素、一酸化炭素、二酸化硫黄、ホルムアルデヒド、オゾンなどの大気汚染物質を監視し、これらのデータは、政策立案者が大気汚染の軽減戦略を策定するのに役立ちます。
•観測精度：大気中の微量ガスや、エアロゾルを高い精度で観測することができ、毎日のグローバルな観測により、大気質の変化を継続的にモニタリングすることが可能です。
•搭載機器：衛星にはTROPOMI（Tropospheric Monitoring Instrument）が搭載されていて、紫外線から赤外線までの広範な波長帯をカバーするイメージングスペクトロメータです。
•軌道：太陽同期軌道を使用して、地球を1日14周し、毎日地球全体をカバーするデータを収集できます。
Sentinel-5Pは、高い空間分解能と、広範なスペクトルカバレッジにより、大気観測において非常に精度の高いデータを提供し、大気汚染や気候変動に関する研究や政策決定に貢献しています。
CAMSは、大気組成に関する包括的かつ、継続的なモニタリングと予測を提供することで、環境政策の立案や、さまざまな分野での意思決定を支援しています。
